Slide PLAYERS

水野正敏

水野正敏

Strings

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Rotosoundとの出会いは1976年。行きつけの楽器屋でスタッフの遊び用に制作された指板からフレットを抜いた“Grecoフレットレスベース”を見つけ、非売品ながら無理矢理「売ってくれ!!」と頼んで購入。
するとそのベースにRotosound弦が張っていたという経緯。

当時は自分の探究心により、市販されている弦の殆どを張り替えつつ試してみたのですが…

Rotosoundと他の弦の違いはなんといっても「音程抜けの良さ」です。

「音抜け」ではなく「音程抜け!?」

他の弦はフィンガリング・スラッピング等の奏法やフレッテッドとフレットレスの楽器構造の違いもあり、ステージ上での音色と存在感、及び野外やライブハウスの端まで届く「音抜け」にも、それぞれの弦で個性があることは周知の事実でした。

ところが、こういう弦の個性の違いでは済まされない重要な要素があるんですね。
それがアンサンブル上での「音程抜け」です。

「音程抜け」という要素は、アンサンブル上でベースの音程がメンバーやオーディエンスにしっかりと聴こえるかどうかというものです。

ベースが出すルート音は、「マクロでいうとバンド全体のサウンド」「ミクロでいうと曲のコード感」を決定する最大の要素でもあるんです。

その最重要な要素であるルートの音程が、他の弦に比べてRotosoundがもっとも抜けてしっかりと聴こえるんですよ。

このRotosoundの「音程抜けの良さ」という個性的要素は、私が半世紀近く使い続けている理由でもあり、他弦の追随を許さないという結果になっているでしょう。それがまた、複雑に絡むアンサンブル・サウンドを重要視するジャコがずっと使い続けた理由かも知れませんね。

Profile

Ponta Boxでメジャーデビューし、現在はMETHOD、A.P.J.、fragile、南海トリオ、≒3X3、プログレマキコ、Waft、等で活動中。
常に新しい試みに挑戦する作曲・プロデュースへの姿勢は余りにも有名。
教則関係では教則本24冊、教則DVD5枚、水野式ベース道場を展開し後進の育成に努めている。
発表したCD・DVDは70枚、収録発表したオリジナル曲は200曲を越え、実践と理論を兼ね備えた数少ないプロデューサー兼ベーシストとして、師事するものには中学生からプロ・ミュージシャンと幅広い。