Slide PLAYERS
川上シゲ

Strings

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最初に、ロトサウンドの、弦の響きを、生で聞いたのは
1976~ カルメン・マキ&OZ アルバム『閉ざされた町』の、
レコーディングで、ロサンゼルスに行った時でした。

The who の、コンサートがあると、マネージャーからの情報で、
メンバーみんなで見に行った時でした。

1976年 ロサンゼルス ・ アナハイム・スタジアムで行われた
The whoのコンサートは、Opening Actに、
いくつかバンドが出演し、そして最後はなんとチャカ・カーンでした。

そして、休憩タイム、飛行機アクロバットのSHOWが終わり、
いよいよ会場がいきなり暗くなり、レザー光線が、観客の身体を突き抜け会場を照らす中
ピート、キース、ジョン、ロジャー The whoの4人が登場!!
約2万人以上の観客が総立ち、スタンドが揺れる。
キースはでんぐり返しをしながらの登場だった。(笑)

演奏が始まった瞬間、今までに聞いたこともないベースの音が
まるで1人オーケストラの用な、ジョン・エントウィッスルのプレイは圧巻で
その弦の響きは、ベースという枠を通り越して、ある時はストリングス、
そしてアグレッシブな破壊サウンド、ヴァイオリン、チェロの用な繊細な倍音まで、
素晴らしいとしか言いようがない。
シンプルな、4人しかいないThe who のサウンドを、
まるで大人数の、オーケストラの用なサウンドに作り上げてるのは、
ジョン・エントウィッスルの、音楽的才能と、楽曲に対してのアプローチ、奏法に感動したのです。

そして、ジョンの開発から関わっている、ロトサウンドのベースサウンドを試したく、
マネージャーに買って来てもらい、ジョン・エントウィッスルと同じアンプセット『Sunn Coliseum Bass Amp』で、
鳴らした瞬間、鳥肌が立ったのは、今でも鮮明に覚えています。
やっと!!自分が欲しい音に出会えたと思った瞬間でした。

そして、カルメン・マキ&OZ 『閉ざされた町』の、レコーディングに突入。
ロサンゼルス、チェロキースタジオ。
ロビーにはリンゴスターが置いたままのドラムセット、
隣のスタジオでは、ロッドスチュワート フエイセスのMIXをやっていたり
今思うと、もっとコミュニケーションしとけば良かったですね。

カルメン・マキ&OZの、レコーディングエンジニアは、グランドファンクのケビン エアーが、
最初担当してたが、途中でサウンドの方向性の違いで脱退 する、
そして、ロッドスチュワート、フエイセスなどのエンジニアに変更。
意気投合して、ようやく落ち着く。
プロデューサーには、ex タートルズ、フランク・ザッパでも活動し、
フロー&エディなどでも活躍していた、ベーシスト、エリック・スコットが担当する事になる。

いよいよ ♪レコーディング開始
1曲目 崩壊の前日のイントロは、ロトサウンドの弦を使い、
ブラスマスターを踏み、出来上がったイントロです!!
このアルバムは、全曲!!ロトサウンドの弦を使用してます。

表題曲の『閉ざされ町』では、イントロからのアグレッシブなサウンドから、
中間の静かな場面に、チェロ奏法を使っています。
ロトの弦じゃないと、この倍音的な美しい響きはなかなか出ないので、
1度チェックしてみて下さい✌️

このアルバムでの、あらゆる僕の奏法、またロトサウンドの弦の響きを
聴く事が出来ると思うので、チェックしてみてください。

多分、日本では、僕が初めて、ロトサウンドの、弦を使ったベーシストだと思っています!
当時は価格が高く、なかなか買えなかったのを覚えています。
確か、 1セット ¥7,000 ぐらいだったと思います。

現在も、これからも、ずっと!!ロトサウンドの弦を、使い続けて行きそうです✌️
僕にとっては、ロトサウンドの響きは 奏法によって、あらゆる世界へ連れて行っくれるMiracleな弦です。

Profile

1970年 ~ 1972年 ブルースバンド 「実況録音」に加入。
1972年 後半 「EVIL」 結成し、米軍キャンプを中心に活動する。
1972年 ~ 1974年 瀬川洋 (exダイナマイツ)のバンドに加入。

1974年 「カルメンマキ & OZ」 に加入。
シーンの黎明期を切り拓き、”日本のロックの到達点” と、評される、このバンドの活動で、
”日本のロックベーシストのパイオニア”としてのポジションを不動のものとする。

数々のレコーディングに参加し、自身のオリジナルバンドも結成する。
ZONE (キティ ミュージック) NOIZ (Polydor Records) 千年COMETS (Sony Records)
Typhoon NATALi (Sony Records) 岡本健一 ADDICT OF THE TRIP MINDS (ポリスター)等、
日本ロック史において、重要な意味を持つバンドで活動。

1993年 ~ 2006年 ソニーミュージックエンタテインメントに勤務。
制作部長、チーフプロデューサーとして、川本真琴、ZONE、the brilliant green、Whiteberry、SUPERCAR、
大槻真希、sisters 他、数々のヒットアーティストを輩出しながら、
レコーディングへの参加 (06 井上陽水 「長い猫」 etc)、
楽曲提供 (12 杏子 「NAKED EYES」 etc) 等も行ってきた。

ベースマガジン ニッポンの低音名人 (2019年 3~5月号)にて。ルーツをたどる特集が組まれ掲載された。

強烈にドライブする、独創的で、他の追随を許さない、唯一無二のベースプレイ、そしてプロデューサー、
作曲家、アレンジャーとしても、オールドロックファンのみならず、数多くのミュージシャンの絶大なるリスペクトを集めている。

現在、「カルメンマキ & OZ」、「Chappy’s / うじきつよし、澄田健、武田チャッピー治」、
「ADDICT OF THE TRIP MINDS / 岡本健一、Motm、田中志門」、
「川上シゲ with The Sea / 久藤賀一、大井貴之」 のバンドで、都内及び地方などで、
ライブイベントに、精力的に参加し活動している。

カルメン・マキ& OZ

カルメン・マキ & OZ